031 – 妄想の時間

あの恋の始まりは、きっとこうだったのではないか。そう強く感じた。

人のなり初めは、勝手に想像するのを憚りながらも物語はひとり歩きし始めてしまった。もうどうしようもなく進んでいっていて止まらなくなってしまった。止める理由もなく、全てはとても納得の行く形で進行し続けている。

そんなことが脳裏でメリーゴーランドしているうちにキーボードで書き留めたくて仕方がない。だが、ついて行けなくて物語は私の手掌から翼を羽化して飛び立とうとしているのだ。

裏舞台の監督のつもりでも結局は観客になってしまった。そんな錯覚に陥っているのだった。私は赴くままにそう従った。

目の前の冷めたコーヒーと現実に戻って、私は一気に飲み干してキッチンに立った。

夕陽は眩しかった。

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